大学院留学は無料!?で、アメリカの大学院ではお金がかからないことを紹介しましたが、とは言っても、日本からアメリカの大学院に出願する場合、日本の奨学金を獲得できると出願の際に非常に有利になります。ということで、日本からの奨学金を取るメリットとその取り方について紹介します。

このページのもくじ

なぜ奨学金が必要か

理由はいくつかありますが、ざっくり言うと

なぜ奨学金が必要?
  1. 日本の中で優秀であるという証明になる
  2. 教授が学生に払うお金が減る

からです。1については明らかだと思いますが、2について少し説明をすると、アメリカの大学院の学生は基本的に大学あるいは先生から、研究または授業を手伝う事によって給料を得て学費と生活費を賄っています。しかし、大学も先生も無限にお金を持っているわけではないので、もちろんその資金の範囲で学生を取れる人数は限られてきます。

したがって、部分的にでも自分自身の学費や生活費を賄える学生は、大学側にとってお金を節約できるという意味でメリットが大きく、必然的にその学生は大学に合格し易くなります。実際、研究室訪問の投稿で書いたように、奨学金を獲得すれば合格をはっきりと確約してくれる先生もアメリカにはそれなりに多くいました。

また僕のように航空宇宙を目指す場合には、軍事に関わる研究が多く、留学生はこのような研究を行えないため、ほかの分野に比べて留学生を雇う資金源が限られ、研究の手伝いとして給料を獲得することが難しいという事情があります。このように、場合によっては外部奨学金を獲得することがほとんど必須となるケースも考えられます。


日本の奨学金リスト

思いつく限り日本で応募できる有名な大学院留学向けの奨学金を50音順に羅列してみました。締め切りは大学院出願の12月よりもかなり早い6月から9月あたりのものが多いので注意しましょう!

主要な大学院留学向け奨学金のリスト

支援額や応募条件は様々ですが、個人的には船井情報科学振興財団をオススメします。学費、生活費フルサポートはもちろん、年に1回の交流会(毎年アメリカもしくはヨーロッパで開催・経費は財団持ち!)では、毎回ノーベル賞級の研究者の方の講演会、奨学生同士のポスター発表などの研究交流が企画され、奨学生同士の交流が非常に盛んなのも大きな特長です。

どうしても異国での研究生活で不安やストレスがたまりやすい環境の中で、同じような境遇で頑張っている後輩、同期、先輩をつなぐネットワークを持っていることは、アメリカの厳しい博士課程を生き抜く上で大きな助けになると思います。

また、これまでの奨学生をみても分かる通り、今までアメリカ、ヨーロッパ各地の有名大学に財団生を送っているので、アメリカの大学界隈での知名度も高く、船井奨学金を獲得することは、日本の中で優秀であることを入学審査委員に強く印象づけてくれることと思います。

他にも探してみる大学院留学支援の奨学金は今の時代たくさんあり、これからも増えていくはずなので、常に最新の情報をチェックしておきましょう!


奨学金出願のノウハウ

船井情報科学振興財団の奨学金を例にとって紹介します。採択のプロセスについては、選考委員長の益田先生が、ご自身のブログにて非常に丁寧に説明しているので、参考にしてみてください。

書類選考

書類選考では以下の情報の記入が求められます。

書類選考の審査基準
  • 志望留学先
  • 先方との交渉の進捗状況
  • 留学先における学修(・研究)計画
  • 留学後の予定・希望
  • 学歴(高校以降から記入)・職歴
  • 卒業論文・修士論文
  • 学会発表・論文、成果物等があれば記入
  • 語学力
  • 応募者に関する評価書

このように、財団側が求めている情報・書類は、実際に大学院に出願する時に必要となる情報・書類ほとんど同じであり、結局のところ財団は、この段階の出願書類で出願者が大学に合格できるかを前もって判断しようとしています。

この傾向はおそらくどの奨学金にもあると思うので、奨学金に提出する書類は、実際に出願する書類の日本語版というイメージで準備すると良いと思います。つまり、“留学先における学修(・研究)計画”では志望動機書の記事にあるような具体的な研究計画を提示し、“応募者に関する評価書”では推薦状の記事にあるような客観的かつ定量的な研究能力の評価をしてもらえばいいわけです。

船井奨学金で少しトリッキーなのは“先方との交渉の進捗状況”ですが、もしやる気があればこちらの記事で教授とのコンタクトについてまとめたので参考にしてください。

面接

益田先生がブログでおっしゃっている通り、事前にどんな質問をするかは全く決めていないとのことなので、参考程度にどんな質問をされたかを書いておきます。

面接時の質問リスト
  • 研究室訪問の結果はどうだったか
  • 周りに留学経験者はいたか
  • MITでよく日本人を取っている研究室には連絡を取ったか
  • 京大から留学希望者が増えているがどう思うか
  • 何を売りにして合格を勝ち取るつもりか
  • なぜアメリカに行く必要があるのか
  • プログラミングは得意か

覚えているのはこのくらいです。少なくとも“何を売りにして合格を勝ち取るつもりか”についてはもう少し回答を準備しておくべきだったと後悔したので、面接の前にもう一度自分の強みと留学の動機をはっきりさせておくといいのかもしれません。

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