日本とどう違う?アメリカの理系大学院で授業を受ける!

日本とどう違う?アメリカの理系大学院で授業を受ける!

結論から先に言うと、アメリカの大学院の授業は大変ではあるものの、その質は非常に高く、1つの授業から得られるものは日本よりも圧倒的に多いと個人的には思います。


授業の仕組みとその乗り切り方!

アメリカの大学院の授業に対して抱いていた僕のイメージは、

  1. 課題が山のようにある
  2. 授業も英語だから理解するのがとても大変
  3. 日本と違ってディスカッションとかプレゼンをする機会がたくさんあり、インプットする能力よりもアウトプットする能力が求められる

みたいな感じでした。この記事では、以上3つの典型的なイメージと実際の授業内容との比較をしてみようと思います。


1. 課題が山のようにある?

残念ながらこれは事実で、特にCaltechの航空宇宙工学専攻博士課程の1年目は地獄です。

アメリカの授業は(制度上は一応日本も?)、どの授業にも3つの数字の組み合わせ(例えば3-0-9とか)が与えられていて、1つ目の数字が1週間の間で授業に費やす時間、2つ目が1週間の間で研究に費やす時間、3つ目が1週間の間に自分で勉強する時間をぞれぞれ表していて、この3つの数字の合計がその授業を取り終えた時にもらえる単位数となっています。

例えば、3-0-9を例にとると、1週間当たり授業時間3時間、研究0時間、自学9時間が単位取得に必要で、合計12単位もらえるということになります。ここで自学の9時間というのは、簡単に言えば宿題に費やす時間を表しています。

アメリカの理系大学院生が取る典型的な授業は、3-0-6とか3-0-9とかが多いので、制度上は、1つ授業を取るごとに1週間当たり6から9時間宿題に時間を取られるということになります。しかし実際のところ、書かれている数字プラス3時間ぐらいかかることがスタンダードなので、多くの場合1つ授業を取るごとに1週間当たり9から12時間宿題に時間を費やすことになります。

たとえばCaltechの航空宇宙工学専攻では、1学期あたり5つの授業を取らなければいけないので、雑に計算すると1週間当たり45から60時間を宿題の消化に使わなければらなくなるということになります。もちろん宿題の難易度にばらつきはあるので実際ここまでひどくはありませんが、いずれにせよ、入学してから1年間はとっても忙しいです。


2. 授業も英語だから理解するのが大変

これに関しては、理系大学院生の場合、日本の授業と同じように先生が黒板に数式や文字を書いて説明するというスタイルが多いので、先生の英語がもし聞き取れなかったとしても、あまり困ることはありません。しかも、アメリカでは必ずTeaching Assistant (TA)と呼ばれる大学院生がそれぞれの授業についていて、毎週Office Hoursという、授業や宿題で分からなかったところを解説したり、学生の質問に答えたりする時間を設けてくれます。また、Piazzaというウェブサイトを使って、インターネット上で質問を投稿できるサービスを授業に導入している場合も多いので、むしろ日本にいる時よりも効率よく体系的に学習できるような仕組みになっているように感じます。


3. インプットよりもアウトプット?

これは完全に自分が取る授業次第です。1で説明したように、授業に与えられた数字が3-0-9ならアウトプットをする機会は全くありませんし、3-3-6なら1週間当たり3時間アウトプットに費やすことが要求されます。ここでいうアウトプットとは、理系の場合はほとんどが研究と研究内容のプレゼンです。


中途半端に物事に取り組む

Caltechに来る前は、与えられた課題を100%すべて消化してその内容をすべて理解するまでは次に進まない、という完璧主義的な考え方が常に頭の片隅にありました。

しかし、日本にいたときでは考えられないようなスピードで新しく刺激的な知識やアイディアに触れる中で、自分が学びたいこと、研究したいことは無限にあって、その1つ1つすべてを完璧に理解するのはどう考えても無理だということ、加えて、Caltechに来て僕よりもはるかに優秀な友人、先輩、先生と出会い、今まで自分が追い求めていた完璧という概念は、あくまで主観的なものにすぎないということをまざまざと痛感し、アメリカに来た当初はこれらの事実が受け入れられずにいろいろと苦労しました。

結局、Caltechで経験したような動的で非常に変化の早い環境で最大限に成果を上げるためには、与えられたタスクや考えうる課題の解決に必要な知識を素早く吸収し、限られた時間の中で自己評価80点ぐらいのアウトプットをするという能力の方が、時間をかけて自己評価100点のアウトプットをする能力よりも重要だと自分に言い聞かせるようにしてはじめて、気が楽になってアメリカでの大学院生活を楽しめるようになりました。この考え方だと心に余裕ができで、プライベートでも思いっきり遊べるし、なんとなく研究のアイディアも出やすくなったような気がします。

ということで、ストレスフルなアメリカ大学院の授業や生活を乗り切るための僕なりのキーワードは、中途半端に物事に取り組むこと、でした!

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