実はCaltech&船井財団からの給付奨学金計3年分が今年度で終了してしまったため、これまではResearch Assistantship(RA)として月々の生活費と学費を指導教員からいただいていました。しかしロサンゼルスの物価を甘く見ていつのまにか預金残高がマイナスになり、アメリカでの社会的信用を失いかけたことをきっかけに、自分の生き方を見つめ直し、その結果縁あって、お〜いお茶で有名な伊藤園の本庄国際奨学財団から奨学金をいただくことになりました。これからはお〜いお茶以外のお茶は一滴も飲みません、ありがとうございます。
社会復帰に向けて、まず、以前この記事で紹介した、海外で学位取得を目指す学生向けの給付奨学金の中から現在の自分の条件
- オンライン希望
- RAなどの学業に関する就労可
- すでに留学している人も応募可
- 25才も応募可
- 学費援助不要
- 宇宙
- 平和
に合致する財団を探しました。現在は非常に多くの大学院留学支援財団があり、その応募条件や支援内容も多岐に渡ります。そんな中、本庄国際奨学財団の選考プロセスはすべてオンラインで、TA・RA・通訳・翻訳など学業に関するアルバイトが認められており、すでに海外の博士課程に進学している貧乏な25才も対象であるなど、上の条件を満たす数少ない(たぶん唯一?)の財団でした。というわけでここからは、本庄国際奨学財団・海外留学日本人大学院生奨学金の
についてお話しします。
支援内容・倍率(2020年)
(1) 月額 20 万円を 1~2 年間 or (2) 月額 18 万円を 3 年間 or (3) 月額 15 万円を 4~5 年間
1~2 年 | 3 年 | 4~5 年 | |
日本円 | ¥200,000 | ¥180,000 | ¥150,000 |
USドル | $2,000 | $1,800 | $1,500 |
ポンド | £1,450 | £1,300 | £1,100 |
ユーロ | €1,650 | €1,500 | €1,250 |
学費の支援はないので、もしそれが必要な方はこの記事から条件に合う他の奨学金を探してください。ちなみに今年の倍率は50倍ぐらいで、具体的にはこちらにも公開されていますが
- 書類選考:269 → 7
- 面接審査:7 → 5
でした。
書類選考(7月下旬結果発表)
研究計画書、推薦状、研究業績、成績などから総合的に判断されるようで、僕が出願したことのある他の財団(船井・中島・孫・平和中島)と比較しても、準備する内容はあまり変わりませんでした。意識したポイントをいくつか挙げるとすれば、
- 他分野の方にも伝わるように研究計画を説明すること
- 他分野の方にも伝わるように研究業績や成績を推薦状でアピールしてもらうこと
- 本庄財団が掲げている国際親善というキーワードに関して、研究以外での日米の交流を促す取り組み(このWebサイト・米国大学院学生会・Caltech日本人会等)を、例えばこのサイトの1日あたりのページ閲覧数を用いて、具体的かつ明示的にアピールすること
- 現在他に奨学金を貰っていないことを明記すること
ぐらいです。一般的な奨学金の書類選考対策についてはこの記事でも少しだけ扱っています。
面接審査(8月初旬結果発表)
面接時間は10分でしたが、体感はそれよりももっと短く、本番ではアピールしようと思っていた研究小噺をほとんど披露できずに終わってしまいました。悔いのないよう、下記の質問リストを参考に言いたいことを全部言えるように考えておくことをオススメします。
- Q. 自己紹介してください。A. Caltechの塚本です。宇宙工学専攻です。
- Q. 宇宙に興味を持ったのはいつからですか。A. 子供の頃スペースシャトルディスカバリー号の打ち上げを見てからです。スターウォーズも好きです。
- Q. 博士号取得後どうするつもりですか。A. NASA JPLで経験を積んで、その後自分の会社を立ち上げたいです。
- Q. アカデミアかインダストリーどちらを希望しますか。A. どっちもやりたいです。
- Q. コロナの影響はどうですか。A. ほとんど影響はありません(ここで面接が終わりそうな雰囲気を察して無理やり研究の話を少しだけした気がします)。
さすがにこんなあほみたいな喋り方はしていませんが、面接官の方々の出方を伺っていると、なぜかスターウォーズの話に時間を使ってアピールする間も無く終わってしまうので、強引にでも自分の強みを話すぐらいの気持ちで臨むべきだったと終わった時は思いました。
今後財団生同士での交流会も執り行われるようなので、これからが楽しみです。お金大切にします。
塚本さんこんはちは。僕は高校1年生です。
小さい頃から宇宙に興味があり、Cal techやMITに行きたいと思っています。アメリカの私立大学は
費用がとてもかかり、そこがとても心配です。
大学からアメリカへ行くのと、日本の大学卒業後にアメリカの大学院へと進むのでは、どのように費用が違うのか、教えてください!
最近は大学留学も大学院留学も、生活費と学費を支援してくれる財団が増えてきているので、まずはその獲得を目指してみると良いと思います。
大学院留学であれば、所属するグループの研究費から生活費と学費を賄ってくれる場合も多いので、お金がないという理由で諦めて欲しくないです。応援しています!